研究内容 / Research

 骨格筋は人体で最大の臓器であり、運動器官としてのみならず代謝器官としても重要な役割を担っています。骨格筋の病的変化は、日常動作の制限をきたすにとどまらず、心循環系、呼吸器系、神経系、骨・関節、代謝などの様々な生体機能や生命予後に影響を与えます。また、癌を始めとして多くの疾患が骨格筋に影響を与えることもわかってきています。

 私たちは、小さな「なぜ?」を大切に、新しい発見に興奮しながら、日々、楽しく研究を進めています。

核膜病の病態解明

核膜病とは、細胞核の膜に存在するタンパク質の異常による疾患群で、ミオパチーや心筋症、代謝異常、早老症など、きわめて多彩な疾患の原因となることがわかっています。

このうち、私たちはエメリン、A型ラミンの異常によって引き起こされる疾患を中心に病態研究を進めています。


小型魚類を活用した病態解明と治療法探索

ゼブラフィッシュやメダカといった小型魚類は、発生が早く卵・稚魚が透明で観察が容易、遺伝子操作や薬剤などのスクリーニングが簡便であるなどの利点があり、近年、多くの医学研究に利用されています。私たちは、このような小型魚類の利点を活用し、様々な疾患モデルフィッシュの作製やがん細胞の移植、薬物・化合物の効果判定や作用機序の解明を多くの学内外の研究室と共同で行っています。


その他の研究テーマ

・ 京都大学iPS研究所、国立精神・神経医療研究センターと共同で疾患特異的iPS細胞を用いたミオパチーの病態解明と治療法開発研究を進めています。

・ 指定難病であるマリネスコ-シェーグレン症候群の調査研究を行っています。

・ 腎不全による筋萎縮の病態と腎移植後の回復経過について、名古屋第2赤十字病院、大阪大学と共同研究を進めています。

・ 全身性脂肪萎縮症の病因・病態解明研究を行っています。

・ 自閉症関連分子の機能解析を進めています。

・ 若年者食後高血糖の実態と予防に関する研究を行っています。